SWEET 1/144 ゼロ戦32型を作る

SWEET 1/144 ゼロ戦32型を作る

SWEET社製の1/144スケールゼロ戦32型を作ってゆきます。可愛らしい女の子とネコたちが目を惹くパッケージのキットです。機体もゼロ戦としては特徴的な翼端が直線に切り落とされた32型です。
今回はHP掲載1機目と言うことで、偉そうな事を言える技能はありませんが、プラモデルを作ったことの無い方が、これなら自分でも作れそうと思って頂ければと思い書いてゆきたいと思います。

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プラモデルは大きく分け、現実にある(もしくはそれらをベースにした)飛行機や船、自動車などをキット化したスケールモデルと呼ばれるものと、キャラクターものであるガンダムなどをキット化したキャラクタープラモデルの2種類に分かれます。
縮尺ですが、各メーカーバラバラ好き勝手に作っている訳ではなく、ジャンルごとに定番の縮尺があり、例えば航空機であれば1/72や1/48が定番とされています。それ以外にも大スケールとして1/32(戦闘ヘリは戦車と並べるのに便利な1/35が増えています)や、ミニスケールの1/144(このサイズは旅客機や大型の輸送機、爆撃機など大柄な機体などがメインです)など、だいたい4種類のサイズに集約されています。
(かつて1/65と1/72のハイブリッドのF-15Eを作ったメーカーが…もはやスケールモデルじゃねぇ…
SWEET社と言うのは日本の静岡県に本社を置くプラモデルメーカーで1/144スケールの航空機を手掛けているメーカーです。1/144ってどのくらい?と思われた方は、このページの一番下にゼロ戦3スケール(1/144,1/72,1/48)を並べた画像と10円玉と比較した画像があるので見てください。
SWEETのキットのパッケージは硬派なボックスアートが描かれたものと、マスコットキャラクターのNASAちゃんや黒ネコラッキーとその仲間たちが描かれた可愛らしいものの2種類がありますが、中身はデカールを除いて同じものです。プラモの箱はいつも作り終わると処分してしまいますが、SWEETの箱だけは飾ってあります。と言うかむしろボックスアート欲しさにキットを買っていると言う方が。

パッケージを開けると、中には2機分のパーツやデカールが入っています。
※実際にはシュリンクに包まれてパーツが保護されています。画像はイメージ的に一度開封したものを詰めています。
パッケージから取り出したらビニールを開ける前にパーツが折れたり欠けたりしていないかチェックしましょう。開けてしまうと不良品であっても交換できないので注意が必要です。

1機分のパーツはこんな感じで、胴体や主翼のランナーとプロペラやギアなどの細かいパーツの2ランナーとキャノピー用のクリアパーツ(これは2機セットになっています)の3ランナーで構成されています。

それと説明書とデカールが入っています。デカールとはシールの一種で、必要な部分を切り取って水に潜らせて台紙から動かせるようになったら貼りたい箇所に持っていって台紙からスライドさせ貼り付けます。
うっかり水分に触れたり汚れないように気をつけて保管します。デカール表面保護のための紙が有る場合はそのまま保管しましょう。

黒猫のラッキーが貼り方を教えてくれます。HPのレトロ感といい手書きの解説といい、昭和っぽい雰囲気です。でもキットはピタパチで精密モールドのガチガチのスケールモデル。パッケージもそうですが商品本体とのギャップが凄いメーカーです。

説明書は表面が塗装指示になっていて、裏面が組み立て図です。4ステップだけなので簡単そうですね。
胴体を貼る、翼を付ける、細かいパーツを組み立てる、細かいパーツを付ける、これだけです。

普段使っているものなので汚れていて申し訳ありませんが、プラモデルを作る時はニッパー、ピンセット、ヤスリ、瞬間接着剤、流し込み接着剤があれば何とかなります。あればデザインナイフがあるとパーツの細かい整形に便利です。

ヤスリは紙ヤスリ、スポンジヤスリ、スティックヤスリ、鉄やダイヤモンドヤスリなどがありますが、最低限紙ヤスリがあればOK。
ペーパー系のヤスリには番手と呼ばれる番号が書いてありますが、これは番号が小さい程目が粗く(削り易い)大きい程目が細かい(削り難い)仕様になっています。プラモデルの場合は大雑把に削りたい時は400や600程度を使い、削った後は番手を上げていって(400⇒600⇒800)削った跡を綺麗にしていきます。番手も240~8000位までありますが、まずは600と800があれば大丈夫。400だと削られ過ぎてしまいますし、1000番以降は表面をツルツルにしたりキャノピーを透明に磨き込む時に使うので、組み立てにはあまり使いません。
ヤスリの種類ですが、紙ヤスリやスポンジヤスリはヤスリ自体が曲がるのでパーツに沿って削り易くなっています。スティックヤスリや鉄ヤスリなどはヤスリ自体が曲がり難いので、パーツをヤスリの面と同様の直線や曲線に整形し易くなっています。


今回キット以外にマスキングシートを使います。Amazonでマスキング販売と言う会社が販売しているもので、1シート200円でスケールやキャノピーの大きさにもよりますが1機~複数機分がカットされ販売されています。
今回の1/144ゼロ戦だと14機分のマスキングが入って200円とお得です。
飛行機のプラモデルの場合はキャノピーはクリアパーツで表現することがほとんどですが、透明部分に塗料が付着しないように枠を塗ると言う作業が必要になってきます。大きなスケールや現用機のように1枚でキャノピーが整形されていれば自分でマスキングすることもできますが、1/144の大戦機、それもガラス枠だらけの日本軍機を自分でマスキングするのは困難です。マスキングせずとも筆で塗り分けるなんてことも可能ですが、ほぼ凹凸のないプラスチックを真っ直ぐ綺麗に塗り分けるのは著しく困難です。10円玉と比較したキャノピーやマスキングシートを見て下さい。塗れる気しますか?
と言う訳で、マスキングシートだけは買っておいた方がプラモデル作りがグッと楽になります。

台紙からピンセットで剥して対応する部分に貼り付けるだけです。1機辺り10分くらい掛かりますが、自分マスキングを切り出すのはもちろん、筆で塗るより遥かに早く綺麗にできます。

さっそくパーツを説明書通りに切り出す…前にパーツをランナーに付けたままで塗れるものは塗って、組み立てできるものは組み立ててしまいましょう。ランナーの下、半身のボディの下にある爪の先ほどの突起あれもパーツです。

小さなパーツ同士は一方のパーツはランナーに付いたままの方が接着し易いので、片方だけ切り出します。特に力が加わる場所でもないのと、すぐに固定したいので瞬間接着剤を使います。瞬間接着剤を100均で売っている瞬間接着剤を塗るための棒に付けてから、接着したい面に付けます。付属の刷毛やましてやチューブ直接はパーツに対して塗られ過ぎてしまうのでNG。瞬間接着剤は塗ったら揮発せず、塗った分がボコッと固まるので、塗る量は最小限です。

パーツは二度切りします。ランナーからパーツに繋がっている細い部分をゲートと呼びますが、いきなりパーツの直前でゲートを切るのではなく、パーツから少し離した位置で一度切った後に再度パーツの近くで切ります。面倒だと思うかも知れませんが、ある程度太いゲートの場合は、直接パーツ付近で裁断してしまうと抉れと言ってゲート側にパーツのプラスチックが持っていかれてしまい、文字通り切り口が抉れてしまうことがあります。またクリアパーツの場合は色のついているプラスチックに比べ柔軟性が無いので、切った力がパーツに伝わってしまい最悪の場合にはパーツに亀裂が入ります。そして亀裂に塗料、特にエナメル塗料が入り込むと砕けます。それらを防ぐ為にも、ある程度太いゲートやクリアパーツを切り離す場合は二度切りが大事です。
ゲートが細い場合はニッパーの刃がパーツと水平になるように切り出してあげれば直接切っても抉れることはほとんどありません。
因みに組み立てた時に表に出て来ない部分は多少雑でも抉れても問題ないので、L/Rと書かれている部分のゲートは直接切っても大丈夫です。
大きなパーツの場合や複雑なパーツの場合は1つのパーツに何個もゲートが付いていることが有りますが、その場合は細いゲートが先、もしくは切断のテンションが掛かっても問題の無いゲートを最後に切ります。例えば上の11番のパーツであれば、上の方のゲート(パーツの横から延びているゲート)から切ります。下から切ってしまうと裁断した時のテンションを横から延びているゲートで受けることになるので、この程度の太さなら平気ですがもっと細いパーツの場合は最悪パーツが折れます。

プラモデルは大雑把に言ってしまうと鯛焼きと同じように型に材料を流し込んで整形するので、金型の合わせ目と言うのが基本的に存在します。そのため金型の合わせ目部分にはパーティングラインと呼ばれる細い線のでっぱりができます。また金型古くなったり、調整が甘い金型の合わせ目の位置に金型から溢れた樹脂が発生します。鯛焼きで言えばミミですね。それをバリと呼びますが、そんなバリやパーティングラインをを取るのに一々ヤスリ掛けは大変なので、デザインナイフなどを使ってカンナ掛けします。
やり方は簡単で、パーツに対して刃を90度より倒して、倒した方向(上の写真であれば左方向)へナイフを軽くスーッと移動させると綺麗に削ることができます。

パーツをランナーに付けたままで塗れるものは塗ってしまいましょう。さきほど接着したパーツが右上の15,16番です。

大きなパーツはエアブラシで、小さなパーツはエナメル塗料で筆でチマチマ塗っていきます。
正直、大して見えないので無理なら単色で塗りつぶしてしまっても大丈夫です。自分のやり易いように端折れるのがプラモです。
写真だとさも手のひらサイズ位のパーツを組み立てているイメージですが、上のパーツか下の完成した写真を見て下さい。10円玉より、と言うか10円の文字並みのパーツを組み立てて塗っています。

あらかじめパーツを塗装したうえで組み立てると、ヤスリ掛けをした際にどれくらい削れたかが判りやすくなります。
今回だとボディ中央の接合部がズレてしまったので、削れなかった部分に塗料が残ったままになっています。この段差も指の腹で撫でてわかる程度なので、元のプラスチックのままだと判らないと思います。塗料はただのブラックでサーフェサーではありませんが、いわゆる捨てサフなどと言われるものです。

せっかくの2機セットなので1機は普通にエアブラシで、1機はエナメル塗料の筆塗でいきます。細かいパーツの部分塗装くらいしか筆は使ったことが無いので、上手く塗れるかは判りませんが。
エアブラシで塗装する方の機体は、一度ヤスリ掛けをして落ちてしまった部分の塗装を再度吹き直しました。

エアブラシはパネルラインがなるべく残るように。ランディングギアの蓋は、このスケールだとほとんど下は見えないので裁断したままです。
ギア自体はエアブラシのブラックの上からエナメルの筆塗でシルバーとラバーブラックで塗り分けました。

いや筆塗は難しいですね…薄め過ぎたのかパーツ端がボテッとしてしまったことや、パーツのモールドが埋まりかけています。

塗装が終わったら一旦クリアーを吹いて表面をなだらかにしてからデカールを貼ってゆきます。上のデカールの画像ですが強い光を当てると日の丸の周りに透明な枠や、中央の赤い台形のようなデカールは3方の赤いライン以外に中央部分も透明になっているのが判ると思います。これは印刷部分以外にも余白のようなものだったり、細かい文字等の場合は複数をまとめて1つのデカールにすることで張り易くするためだったりしますが、でこぼこした面にそのままデカールを貼ってしまうと、主にこのような透明部分が反射してしまいシルバリングと呼ばれる状態になってしまいます。シルバリングを防ぐために透明部分を切ってから貼ったりすることもありますが、シルバリング防止には表面が滑らかであることが一番なので、クリア塗料で表面を滑らかにします。

F/A-18のキャノピーの下辺り、アメリカの識別表の左に一部色が変わっている部分や、F-16(F-2じゃないよ)の尾翼の機体番号周りが薄っすら枠になっているのが判ると思いますが、これらは凸凹した状態でデカールを貼ったために起こったシルバリングです。デカールは本来、貼り付けてしまうとシールであることが判らない非常に優れたものですが、それゆえにいい加減だと後で目立ちます。
ある程度は軟化剤で凹凸に馴染むのですが、それでもシルバリング起こす時は起こします。

と言う訳でデカールを貼り、今度は艶消しクリアーを吹いて、キャノピーのマスキングを剥せば完成です。

色々と技量については言いたい所ですが、まずは完成させることが大事。だと思います…
ネットに上がっているプラモってどれもハイクオリティーで初心者だと自分の技量とのギャップに凹みますが、うちみたいにある程度適当に手を抜いて楽しんでいるユーザーもいるんだよと、まずは知ってもらえれば、スケールプラモもグッと手を出しやすくなるかなと。

ゼロ戦スケール比較

異なるスケールのゼロ戦32型で、左から順に1/48,1/72/,1/144スケールです。
ゼロ戦の場合は1/144が手のひらにすっぽりと収まるサイズ、1/72が手のひらサイズ、1/48がブンドドサイズくらいですね。
1/48の翼に1/144のゼロ戦が乗るほどサイズ差があります。

1/144スケールと10円玉の比較です。今回作っていたゼロ戦は、こんな小さなサイズだったんです。

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