PLATZ 1/144 SR-71を作る

PLATZ 1/144 SR-71を作る

PLATZ社製の1/144 SR-71を作ってゆきます。

SR-71は高度26,000mをマッハ3の超音速で飛行することの出来る戦略偵察機で、1967年から1999年までアメリカ空軍で運用されていました。主に東側は日本の沖縄県嘉手納基地、西側はイングランドのサフォークミルデンホール基地から出撃していました。
M3で高高度を飛行することから何もかもが特別で、ステルス性を意識した滑らかなボディーや超音速を維持し超音速下でも空気を安定して取り込み燃焼するための細長いエンジン、M3と言う超音速下では断熱圧縮で熱せられた機体の外装が延びるため、伸びを計算しM3で隙間がぴたりと埋まるように敢えて遊びを持たせたチタン合金製の外装パネル、そして操縦するパイロットも通常戦闘機のパイロットが着用するフライトスーツでは26,000mで酸素供給ができないので、宇宙服から推進装置を外しただけと言っても差し支えない与圧服を着用して操縦します。整備性も軍用機としては非常に悪く、1度出撃すると再出撃には1週間、場合によっては1カ月もかかることもありました。その特殊性から偵察機としてだけでなくNASAに供与され各種試験に使用されました。今回のプラモデルも米空軍仕様ではなくNASAに供与された機体がモデルになっています。
ブラックバードのニックネームは機体の放熱を増やすためと夜空に溶け込みやすくするために黒に近い濃紺で塗られていたことから付けられました。沖縄に配備されていた機体は米兵から沖縄の固有種であるハブに因んで、ハブのニックネームで呼ばれることもありました。
余談ながら32機だけ作られたアメリカ空軍の切り札ともいえる戦略偵察機SR-71ですが、ヨーロッパでは偵察飛行中にソ連やスウェーデンの迎撃を受けていました。ソ連は東ドイツから発進させてMiG-25を撃墜ポジションに付けた後に離脱してゆくと言う、いつでも撃ち落とせると言うアピールをしていましたし、スウェーデンはJ-37を迎撃に向わせていました。MiG-25に追尾されたSR-71の名誉のために言うと、SR-71はバルト海上空でM2.5まで減速して旋回離脱しないとスウェーデンの領空侵犯をするので、そこを狙われていた訳でM3.2で追尾されていたわけではないのと、侵入経路はバルチック急行呼ばわりされている毎度同じのコースだったので、まぁ格好の演習目標だった訳でTu-95が毎回記念写真撮られるのと同じようなもので、全く未知のコースで飛んでこられたら迎撃できたかは不明な所ですが。因みに毎度毎度迎撃に向っていたスウェーデンですが、こちらはスウェーデンの主張によると300回強の出撃のうち50回はロックオンしたそうです。しかし過去の予測に基づくコース変更がない前提での迎撃率なので、いかにM3クラスの機体が20㎞の高度を飛んで来るのを迎撃するのは困難かが判ります。
そんなSR-71のプラモデルはプラッツが販売していますが実際は中国のドラゴン社製のキットに日本語の説明書とデカールを封入したもので、そういった他社のキットと自社で日本語化した説明書を封入したものをプラッツでは特選シリーズとして販売しています。こういった再パッケージ化した販売形態はプラモデルでは珍しいものではなく一般的なものです。タミヤはタミヤイタレリとして販売したりしていますし、タミヤウォーバードシリーズであれば、そのままタミヤ名義で販売しています。ジェット機はF4D,F-16,F-35とX-1(これも金型はタミヤじゃないけど)以外はイタレリ製ですが、パッケージにはタミヤとしか書かれていないので、予備知識が無いと微妙なものを掴まされることもあり、むしろ特選シリーズとして明らかに元のキットのメーカーが判るのは助かります。
前回作成したゼロ戦と同じ1/144スケールですが、1機でお値段3,000円強とお高めのキット。(元のキットから値段倍とか言うツッコミはしないように。)それもそのはず、このSR-71は実機の全長が約32mと中型旅客機のB737-700やMAX7とほとんど変わらない軍用機としては大型な機体なので、お値段もお高めになっています。

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ランナーはキャノピー込みで3つ、それとデカールと言うシンプルな構成です。翼を付けるとか言う作業すら要りません。上と下を貼り合わせて垂直尾翼を刺せばSR-71です。と言うかランナーの時点でSR-71です。
10円玉と比較しても大きく、1/144で20㎝以上あります。モールドは結構クッキリ。パーツにバリも一切無いので気持ちいですね。コクピットは既に完成済み。キャノピーはクリアで綺麗。ただしガラス部分はごくわずかです。垂直尾翼のNASAの文字は時代によって3種類。一番上の黄色に黒字のNASAは70年代に供与された機体に書かれたマークです。この時は空軍から供与された機体だったのでNASAのマーク以外にUS AIR FORCEの文字と国籍マークが入っていました。真ん中の緩いフォントのNASAは91~92年に使用されたマークですが、実はこれNASAのロゴでもあるんです。NASAのロゴは1969年までと1992年以降は皆様ご存知の宇宙をモチーフにした円形にNASAの文字が入る、通称「ミートボール」と呼ばれるロゴが使われていますが、1970年~92年まではこの緩いNASAマークがそのままロゴとして使用されていました。その名も「ワーム」です。これは当時のニクソン大統領が省庁に対してロゴなどのデザイン改善を命じたことによって誕生したものですが、実はロゴ変更が公表される前に既にこのワームに変更することが既定路線だったどころか、すでにロゴ変更後のグッズまで出来上がっていたことが発覚しミートボールとワーム派でNASAを二分する騒動になったとか。そして一番下が96年に使用されたマークです。ちなみにこの時はNASAのロゴはミートボールに戻っていたので、このNASAマークはただの文字です。組み立ては3ステップしかないうえに、飛行形態を選べば細かいパーツはほとんどありません。上面のパーツに下面のパーツをはめ込むので、合わせ目は機体の下側にしか発生しません。この2パーツでボディーはほとんど完成です。なんかこういう形したアイスありませんでした?
メインギアの前に開いてる穴は何なんでしょうね?コクピットパーツの合いは至って良好です。今回模型用セメダインで接着しました。はみ出した部分は水で拭き取れるうえに、接着面を犯さないのでクリアパーツの接着には最適です。

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下側の合わせ目は軽くパテで埋めておきました。
飛行状態で作る時は一体化したパーツをはめ込むのですが、このサポーター部分が邪魔ではまらないので結局全部削り取ることになります。
この赤い部分はデカールで表現できるのですが…マークセッターを利用したら皴になってしまいました。カトルグラフのラインデカールは扱い注意ですね。結局皴になったりして使えなくなったデカールの代わりに塗装で再現することにしました。下側(右翼側)が塗装したもので、上側(左翼側)はラインの感じを見るために貼ったデカールで、後で剥して塗装しました。剥す時はマークソフター塗って爪楊枝でカリカリ削りました。塗装はタミヤエナメルのレッドを直接吹きましたが、デカールよりちょっと色が暗いくらいで、単独で見ると問題なく赤く発色してくれました。中央部分はゆるい曲線になっていますが、胴体上のラインの端をなぞるように曲線マスキングテープを貼るとイイ感じだったので、ライン塗装自体は難しくなかったです。
デカールには所々コーションマークが印字されいましたが、黒い塗装の上に細かいコーションマークはほとんど見えないので、塗装に置き換えても気にならないので良かった別のデカールからマークを持ってくる必要は無さそうです。逆に言えば赤い文字で書かれたコクピット周りのデカールも一切目立たないと言う事なのですが。
と言う訳で完成です。SR-71は地上や低速飛行時はパネルから燃料が漏れだす(マッハ3の高速飛行時は断熱圧縮で機体が高温になるので、延びた金属で隙間が埋まる)と言う、M3でカッ飛ぶための機体なので、パネルラインは艶消しを吹いたうえでエナメル塗料を流し込んで滲ませましたが、なんか汚れすぎでしょうか?参考にした写真はけん引されている機体だったので、屋外に放置されていた汚れも含まれていたかも…給油口から後ろはクリア塗料で燃料の流れ跡っぽくしましたが、いま一つでした。ウェザリングも練習が必要です。

せっかくの超音速機なので飛行形態で作りましたが、スタンドを何とかしないと地面に胴体着陸状態です。100円ショップの写真クリップか真鍮線でスタンドを作りましょうか。
60年代に初飛行したとは思えない近未来的なシルエットで、今でも充分未来の機体として通じる美しいデザインですね。垂直尾翼が内側に傾斜しているのも良い感じ。裏側は見えないので、艶消しクリアも吹いていませんし、デカールも一切貼っていません。見えない所は手抜きでお手軽仕様です。
第二次世界大戦中の戦闘機としては小柄な方なゼロ戦ですが、並べると同じスケールとは思えない差です。同じスケールで作ると比較できるのもスケールモデルの楽しみの一つ。
ギア格納庫のパーツや垂直尾翼の取り付けなどは取り付け部を削ったり切り落としたりする必要がありましたが、製作難易度自体は簡単で、その気になれば1日で作れてしまいそうなお手軽さが嬉しいキットでした。ただラインデカールだけは扱い注意です。まあ塗装の方が楽かもと思ってしまいました。

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